2012/3/13/ ●インドのファーストフード店巡り

昨日の昼過ぎにゴラクプルから急行に乗り、今日の昼過ぎにコルカタの街についた。24時間の鉄道旅だった。インドを旅するのは5回目だが、実はACのコーチに乗るのは初めてだった。ラクノウまでの長い2等列車の時と違い、快適すぎるほど快適だった。なんだか淋しいほどに混んでいなく、もちろん座れて、しかも自分の席が確保されているので気兼ねなく堂々と座れ、他の乗客と押し合いへしあいにならずに余裕を持って過ごせる列車の旅は初めてだった。ここだけインドではないような気がした。快適な空調が効いていて、時々掃除係の人が床を掃きに来る。その後をキツい化学洗剤の匂いを撒き散らしながら床を拭いてくれたりする。嬉しくてついチキンターリーなんぞを注文したら200Rsも取られたが、優雅な気分を味わえた。窓に遮光フィルムが貼られていて、外の景色がよく見えないことだけが残念だったが、一度この車両に乗ると、下の車両には戻れないと身に沁みて痛感した。

AC 3Tierの車両はこんな感じ
AC 3Tierの車両はこんな感じ

コルカタに来るとインドらしくない食べ物がたくさんあるので、食欲が自然と湧いてくる。宿にチェックインして、早速ニューマーケット近くのケンタッキーに行った。

昨年この店に来た時は、店員の中にろうあ者の若者が何人かいたが、今回はなんとスタッフ全員がそうしたろうあの若い人たちだった。少なくともカウンター、キッチン、客席を片づける人たちなど、自分の目についた範囲では全員がろうあの人たちのようだった。互いに手話でコミュニケーションをとっている。カウンターで注文を受ける女の子も、客がメニューを指差すのを見ながら、また口の動きも見ているのだろうか、複雑な注文を見事に理解してキッチンにオーダーを通し、ドリンクを用意する。男の子も女の子もいる。

日本でもハンディキャップを持つ人が就職するには、健常者とは違った難しさがあるだろうが、インドでもハンディキャップを持つ人が働ける場所はまだ少ないに違いない。ボーパールやラクノウで車いすに乗った男性が新聞を売っているのを見掛けたし、ナグプールの銀行でも目の見えない女性が受付で案内をしているのを見掛けた。昔に比べると少しずつ門戸が開かれているのだろうが、不具の子供が生まれると物乞いの道具に仕立てることしか考えられない親や大人が多いのも現実だ。ケンタッキーもインド進出時には外資系ということでずいぶんバッシングされ、ヒンドゥ至上主義の団体などから店舗が襲撃されるなどした経験がある。こうしてハンディキャップを持つ人を積極的に雇用して社会的責任を果たすことでインドでの地歩を固めてきたのかもしれない。今ではインドのちょっとした都市のショッピングモールのテナントに入っているのも珍しい光景ではなく、あのケンタッキーのファサードを見かけるとなんとなくホッとする。

ラクノウの駅前で新聞を売っていた足の不自由な男性。許可を取って撮影させていただいた。
ラクノウの駅前で新聞を売っていた足の不自由な男性。許可を取って撮影させていただいた。

それにしてもこうしたお店に来ると、インド人の間の経済格差の大きさに愕然とする。ローカルな食堂では20Rs程度で食事できる国だが、ここでは奮発して150Rs超のセットメニューを頼む。その自分の隣のテーブルでは、10歳くらいの女の子が、600Rs以上もする大きなバレルからチキンを掴んで口にしていてびっくりする。やがてその子の母親らしいインド婦人がドリンクをトレーに乗せて席につき、連れの同じ年頃の女性と3人でチキンを食べ始めた。窓際でも20歳前後の2人の若い女の子がバレルを挟んでチキンにむしゃぶりついている。日本でもなかなか見れないワイルドな光景だ。平日の昼下がり、買い物帰りに女性だけでケンタッキーに立ち寄り、600Rs以上もするバレルのチキンをほおばって小腹が空いたのを満たすのも、インドの一風景なのだ。

そういえばこの周辺には物乞いも多いのだが、この辺りでお金をせびっている小さな姉妹の母親らしき物乞いが、袋の中からケンタッキーのフライドチキンを取り出して子供に与えているのを見掛けたことがある。きっと拾ったのだろうが、こうした「おこぼれ」の豪勢さもこの辺りに物乞いが集まる理由なのだろう。

夜はサブウェイに行ってサンドウィッチを食べた。店の外から見るとハムやソーセージが挟まったようなサンドウィッチの写真が店内に見えたので、ひょっとして普通に豚肉を使ったハムやソーセージがあるのだろうかと気になって入ったのだ。店員の若い男の子に「Are They made by pork?」と尋ねると、とんでもないとばかりにムッとした表情を浮かべて、「All are made by chicken,100%!」と釘を刺すように言われてしまった。日本では鶏肉100%のハムやソーセージなんてあるのだろうか?少なくとも食べたことない。パンにサンドする具材を適当にオーダーしてやっぱり200Rs近くするので、日本とさほど変わらなかった。