2012/2/18 ●高原の山脈

今日はいよいよ東ガート山脈に向かっていく。オリッサ州・アンドラ・プラデーシュ州・ジャルカンド州にまたがるこの山脈のある地域は、一体どういう地域なのだろうと興味深々でわざわざここまで南下してきたのだ。

バスで上り始めて気が付いたのだが、山深い感じではない。むしろなだらかな高原がずっと続いている。山に木がなく、低い灌木か草が続いている風景に少しがっかりした。

東ガート山脈はこんな緩やかな地形
東ガート山脈はこんな緩やかな地形

途中からバスに乗って来て自分の隣の席に座った男性の顔を見てはっとした。オリッサ州南部、アンドラ・プラデーシュ州に入ったころから少し気づいていたことだが、この辺りに住む人々の中には明らかにオーストラロイドの顔立ちをした人々がいる。バスに乗ってきた男たち数人は、どこかエキゾチックな顔立ち、カールの強い髪といい、ニューギニアの人々を思わせるような風貌だ。

女たちのほうがより伝統的な格好で、カフスボタンのような大きな金の飾りを鼻の片側、もしくは両側に付けている。他の部族なのだろうか、金の輪っかを付けているものもいる。その輪っかにこれまた金の精密な細工を施した装飾を付けているものもいて、ほとんど唇の上にまで垂れ下がっている。食事をするときはさぞ邪魔になるだろうと心配するが、外出時だけのことで、帰宅すると取り外しできるのかもしれない。これらが女たちにとって美と富の象徴のようだ。髪型も特徴的で後ろ髪を編んで首の後ろに巻きつけたような(日本でも似たようなヘアスタイルを少し前に見かけた)女たちがいる。衣装はそれが伝統的なのか、ブラウスを着用せずにサリーの布を1枚器用に身体の上下に巻き付けていて、肩のところで結んでいる。特に年寄りの女ほどそのスタイルに固執していて、市場などで野菜などの商いをしている老婆たちは、下手をすると乳が見えそうで思わず目をそむける。

この辺りは少数民族の宝庫のようだが、オリッサ州は観光客に観光資源として外国人の観光客にこれら少数民族の住む村などを開放することについてはかなり厳しく制限しているらしい。旅行会社がジープをチャーターしてこれら少数民族の村に外国人観光客を案内しているケースもあるようだが、山奥にまで立ち入る場合は取り締まりを強化する方針であると地元紙のオリッサポストは伝えていた。あまり深入りはしない方がよさそうだ。そもそも西ベンガル、オリッサ、ジャルカンド、アンドラ・プラデーシュの農村部はナクサライトの活動地域だ。さすがに路線バスが運行しているような地域は大丈夫だろうが、交通機関もないような山里を外国人がウロウロするのは無謀だろうと思う。

街で見かけた少数民族の女性
街で見かけた少数民族の女性

標高もそれほど高くはないらしい。山を登ってきたという感覚がほとんどないまま高原の間を縫うように道が続く。アスファルトの道が整備されていてコンディションも悪くない。地図で見るとこの辺りには複雑な形をした大きな湖があるらしい。バスで走りながら、時々湖らしきものを見かけたが、実はすべて一つにつながっているようだ。

バスがKoraputという町に着いた。東ガート山脈の山間にある小さな町で、ここを拠点にして付近をあちこちバスで旅しようと思う。バスを降りて宿を探していると、なんだかネパールのカトマンズに来たような愛らしい雰囲気が漂っている。ところが!ホテルがなかった。正確に言えば1軒あったのだが、結婚式の予約で部屋が埋まっているという。あちこち探したもののホテル、ロッジの類が他に一つも見当たらない。バススタンド前でバナナシェーキを売っていて、ココヤシの実を刻んだものとココアの粉末を掛けてくれるのがとてもおいしい。人気があって客が常に小さなスタンドの周りを取り囲んでいた。

迷った挙句にさらに先にある町、Jeiporeを目指すことにした。ここからさほど遠くない距離でさらに少し大きな町らしい。うーん、Koraputにホテルが1軒しかないのは予想外だった。この辺りでは比較的大きめの町なのだが。

バスはそれから2時間半かけて少し山を下り、Jeyporeという町に着いたのはすっかり日が暮れてからだった。