2012/2/19 ●山の上の湖

昨夜は、バススタンド近くにすぐに宿が見つかった。比較的新し目の宿で清潔なので助かった。ここにしばらく滞在して付近をバスで回ろうと考える。インドには各州ごとのRoad Mapが本屋で売られていて、群別に割と細かい町や道路などが掲載されているのでバスの旅にはとても役に立つ。

今日は、昨日一度登ってきた山を別ルートで一度降りてみようと思っていた。LONELY PLANETにAraku周辺の景色が美しいという記述があったので、その近くのBhejaという集落まで行き、そこに鉄道の駅があるようなので、そこから昨日訪れたKoraputまで鉄道で行こうと考えたのだ。地図を見ていると湖周辺を線路が走っているようで、何度か鉄橋による湖渡りも体験できそうだ。

Jayporeのバススタンドからバスに乗車。バス道沿いは木々が深く、昨日よりは山らしい雰囲気の中を走る。小さな集落が点在している。こんな山の中に比較的真新しい、しっかりした建物が立っていると思いきや、学校だ。しかし子どもがいる様子がない。こんな田舎だと教師もなかなか配属されないのかもしれない。

途中、Lampataputという小さな集落でバスを降ろされた。バスは別の方向に行くのだという。朝食を取っていなかったので、そこでプリーを食べたり、冷たいドリンクを飲んだりしてから、今度は乗り合いのジープでBhejaという町を目指した。

草か灌木しか生えていない地域に時々、数アールに渡ってある一定のエリアだけ植林されていたりするのだが、なんだか無計画というか、木の成長速度に比較して異様に植栽密度が高く、いずれ間伐しなければ枯死しそうな様子だ。Google mapを見るとこの辺り一帯は保護林のような指定が為されているエリアが多いようだが、その手法はというと?がつきそうな不可解なものだった。

Bhejaに着いたというので降りてみると、そこは町でも村でも集落ですらなく、単なる山の中の分岐点みたいなところだった。三叉路になっていて、10人くらいがどこにいくのか通りがかりのジープか車を待っている様子だった。降りてみてさてどうしようかと思っていると、目の前に畑が続いている先にどうも線路らしきものが横に走っているようだ。小さな建物らしきものも見える。近くにいたインド人に「あれが駅か?」と尋ねると「そうだ」というので、そちらに向かって歩き出す。何もない田舎の一本道で1kmくらいはありそうだ。こんなところを1人で歩いていたら危険なのかなと思いつつも、あまりにものどかな風景が広がっているので気にせず歩くことにする。

途中からアスファルトの道を逸れて畑の中を歩く。その方が駅までのショートカットになっているらしく、踏み跡がある。畑といっても今の時期何も植えられていない。この辺りの土は色がオレンジに近い赤い色をしている。とても固いようで、これでは耕すのも大変だろうと想像する。粘度も高そうだ。

Bhejaの駅に向かう途中の畑
Bhejaの駅に向かう途中の畑

こんな山の中に鉄道が走っていて駅舎があるのも奇妙だが、果たしてダイヤがあるのだろうか?という不安もあった。小さな駅舎に近づくまで気が付かなかったが、意外と人がたくさんいたのでほっとした。時間は昼の1:00を10分ほど過ぎたばかりだったが、1:00に来るはずのKoraput方面行きの列車が遅れているとのことで、何とも言えない幸運に思わずニンマリとする。こんな田舎で列車の本数なんて限られているに違いない。壁には上り下りそれぞれ1日1本しか書かれていなかった(実際にはもっとあると思う)。

30分ほどすると遅れていた列車がやってきた。駅舎を出るとそこはホームすらなく、停車した列車にみな線路から乗り込む。Passengerと呼ばれる鈍行列車で2等席しかない。座席に座ることなく通路に荷物を下ろし、扉が開きっぱなしの入り口から外を眺める。この辺り一帯に広がる、複雑な形をした湖のそばをつかず離れず列車が走っている。不思議なものでこんな山の上に湖があるのも、周りを取り囲む木のない丘陵に雨季の間に降った雨が浸み出してきているのだろうか。数は少ないもののたまに小舟を見かけたので、何か魚もいるらしい。そして湖岸ではこの湖水を利用した水田も時々見かけた。灌漑用の用水路なんて特別に整備されていないのだが、水路を引いて水田に流し込んでいる。



列車から眺める山の上の湖
列車から眺める山の上の湖

列車から見る景色はバスとはまた一味違い、風も感じられて気持ち良かった。湖を鉄橋で渡ることもでき、2時間足らずでKoraputに到着した。バススタンドに向かい、昨日バスで通ったSimiligudaという小さな町に行くことにした。少しBobbiliに向かって戻ることになるのだが、降りて歩いてみたいと思わせるようなバザールの賑わいだったのだ。

Similigudaはバス道沿いの小さな町だが、周辺の村から女たちが野菜を持ち込んで路上にずらーっと腰をおろして商売をしている。魚なども売られていたので、きっとあの湖でとれたものに違いない。色鮮やかな衣装を身にまとって花飾りを身に付けた女たちのバザールをひとしきり歩いて眺め、またバスでKoraputに戻り、その後Jeiporeまで戻った。

Similigudaのバザールで野菜を売る女たち
Similigudaのバザールで野菜を売る女たち