2/27 ●Kasiaの飛行場

今日は朝から近くのまちのKasiaへ行く。インターネットカフェを1時間ほど利用した後、前から見たいと思っていたKasia北方にある飛行機の発着場に行ってみることにした。今のところ稀に舞い降りるチャーター機専用でほとんど発着はないらしい。滑走路がKasiaから北へ延びる道路を横切っているとかで、もし飛行機が通る時に車が走ってたらどうなるのだろう?北方にある街Padraunaまで行く乗り合いジープに乗りこみ、途中で見えたら下ろしてもらおう。しかし行けども行けども見えてこない?結局Padraunaまで行ったものの見渡す限り田園風景が広がっているだけで、滑走路らしきものは全く見えなかった。

 

実は先週の日曜日も自転車を借りて見に行ったのだが、サドルの硬いインドの自転車をいくらこいでも見つけられずに諦めて帰ってきたのだった。あとで確認したところ、道をどうやら間違ったらしい。正確にはKasiaから北西に延びる道の途中にあるそうで、結局今日は見ることはできなかった。

今、U.P州政府はこの発着場に施設を作って国際線を就航させようとしているらしい。つまり国際空港の建設を計画しており、プランも出来上がっている。そのための用地買収も進行中だという。中央政府も仏教巡礼の観光振興策として予算計上を認めている。しかし州政府は自前の公金をなるべく使わずに中央政府から下りてくるお金に加えて民間ディベロッパーの出資を模索しているらしいが、利に聡い民間業者は誰も手をあげようとしない、とTimes of Indiaは伝えている。それはそうだろう。州政府のプランでは空港施設だけでなく大規模商業施設まで建設することになっているが、大風呂敷をどれだけ広げても、それに見合う観光客が見込めなければ投資損だ。今のクシナガラを見ても空港建設だけでそこまで観光的インパクトが見込めるのか、素人目に見ても大いに疑問だ。しかもブッダガヤーをはじめとして仏蹟の多くはビハール州に多く点在する。外国からの巡礼客はクシナガラだけでなく、ビハール州のこれら仏蹟をも通常周るだろうから、仏蹟サーキット全体を視野に入れてビハール州・U.P州が共同で観光開発---道路の整備やホテル開発、レストランや物産店、バスツアー振興のようなものを打ち出すのなら、先鞭を切る形でクシナガラに先行投資するのもありえるだろうが、U.P州だけが煽っている現状ではなかなか計算が立たないのではないか。

                                          →Spin Off  開発が続くクシナガラ

 

             →クシナガラ国際空港計画書(pdfファイル)


とはいえ、ゴラクプルからクシナガラへと続く国道はKasiaを超えてビハール州との州境まで拡張工事が行われているし、Kasiaでは立体バイパスの工事が進行中だ。地図を見るとこの国道はラクノウを通って南下し、最終的には西のグジャラート州アラビア海沿岸の町まで伸びている。東はビハール州から政情不安の続く東北部を通ってアッサム州のシルチャルという町まで通じている。つまりこの国道は本来、インド北部を東端から西端まで横断する大動脈という位置づけらしい。このまま本格的に道路整備が進めば、北インドの流通・長距離輸送に大きな変革をもたらすことになるだろう。大型トラック向けの宿場町もあちこちにでき、クシナガラ周辺も大きく変わるのではないだろうか。

インドの国道


実際のところクシナガラでは歩道の整備がなされ、広い側溝工事が行われ、U.P州はこの辺りの整備に並々ならぬ大金を投じている。公共工事ラッシュのおかげで当面の間はこの辺りで日雇いで作業に従事している労働者たちも仕事に困らないだろう。インドマイトリの会の事務所の隣で民家の建築に従事している人の日当は100Rs-と聞いた。5年前(2006年度)に実施された、この周辺の村々の家庭訪問調査をまとめたものをインドマイトリの会でコピーさせていただいたのを見ると、当時の非熟練労働者の日当はみな一様に50~60Rs-と記されている。もし現在の日当水準が本当に100Rs-程度だとすると、わずか5年で倍増したことになる。物価上昇の激しいインドでも、これは悪くない話だろう。

 

 

夕方になってまた近くの自転車屋へ行き、自転車を借りた。近くの村や畑の間を自転車で走ると気持ちいい。サトウキビ畑というのは刈った後に次の苗をどうするのか不思議に思っていたが、やはりイネ科なので若い芽が出てきたばかりの株を残している。それで株の周りの土を鍬のようなもので掘り返して耕していた。そうやって根を切ることで新しい発根を促すのだ。古い根をそのまま残したままだと、畑全体が古い根で覆い尽くされてしまい、栄養分を吸収できなくなってしまう。大きくなりすぎた株は掘り返して2つか3つに株分けして別の場所に植え替えてもよいかもしれない。

麦畑の片隅にトウモロコシの苗らしきものが時折植えられているのを見かけた。日本だとトウモロコシは北海道、サトウキビは沖縄で育てられているが、クシナガラでは両方育つらしい。しかし両方とも、いや麦も含めて栄養分の少ない痩せ地でよく育つ作物だ。この地が決して肥沃ではないことを示しているのだろう。考えてみれば麦の藁もサトウキビの藁さえも牛などに食べさせ、牛が出す糞は人間が燃料に利用するのだから、畑にあまり返すことがない。そして畑からは作物を採り続ける。ずっと昔からそういうスタイルを続けているから土地が疲弊していく一方なのかもしれない。ここの人たちは畑で当たり前のように用を足しているが、人間の糞尿はそのままだとアンモニアや塩分が多く含まれ、植物にとっては肥効よりもはるかに害の方が大きいことを知らないらしい。

それにしても今は農閑期なのかもしれないが、たまに畑で作業しているのを見ると、子どもや女たちの姿が目立つ。特に農作業における女たちの役割は割と大きいように思えた。

 

所長さんに教えてもらった、荼毘塚の先にある川の火葬場にも行った。橋の上から眺めただけだが人を燃したあとの灰の跡が何箇所か見えた。近所の住民が川べりで用を足してお尻を洗っていた。

麦と芥子菜が混じった畑
麦と芥子菜が混じった畑