1/30 コルカタの空港から市内へ向かう 例えば、こんな行き方

コルカタの空港の前にはローカル線が通っている。国内線ターミナルの前にBiman bandalという駅がある。前から地図で見て気になっていた。


この鉄道はどこへ延びているのだろう。空港のwifiサービスで改めて地図を調べてみると、DUMDUM JUNCTIONを経て(ここでメトロに乗り換えても良いが)、そこからフーグリー側方面に向けて大きく進路を変え、途中から川に寄り添うように南に走っていた。


地図を見ながら心ときめいた。ローカル線に乗って雄大な川を眺めながら走るのか。もうこれしかないと決め、続けて時刻表が掲載されているサイトを見ると、1日たった5本しかなく、最初は7:35らしい。EDEN GARDENという駅で降りることにした。そこからなんとか東進すればESPLANADEやPARK STREET辺りに出られそうだ。


夜が明けると荷物を担いでターミナルの外に出た。霧が濃く、曇っていた。ターミナルのアームの取れたベンチで横になってしばらく眠ったが、寒かった。時々空調の風が天井から吹き降ろすのだ。クアラルンプールから夏の軽装で来てそのまま眠ったのが間違いだった。外に出ると、ターミナルの内と外とでは気温が同じであることに気がついた。


声をかけてくるタクシードライバーも少ないので軽くやり過ごし、空港外の高架に沿って北向きに歩き始める。駅の入り口は木の枝に覆われていたものの、すぐに見つかった。駅員は朝起きたばかりといった様子だったが、意外と丁寧な対応で切符を渡してくれる。EDEN GARDENまでたった5Rsだった



空港の前にあるBiman Bandal駅

駅入り口は木の枝に覆われていて、ちとわかりにくい。

駅に掲示されている時刻表。本数が少なく、シンプルだ。


列車は南から到着し、この駅で折り返してまた南に戻るらしい。乗ってみると、中は幅の広い風情のある車両だった。自分は鉄道ファンというわけではないが、きっとそういう人たちは興奮するんじゃないかな、と思う。出発前に夢中になって写真を撮っていると、ホームにいる駅員に写真を撮らないように、と注意されてしまった。


車幅が広く、進行方向に向かって硬い木のベンチが並んでいる。

車内の壁にはやたらとビラが貼られていた。

列車は走り始める。高架になった部分を過ぎて地上に降りると、線路のそばにはスラムが広がっていた。まだ目覚めたばかりの、スラムに棲む人々の生活を掻き分けるように列車はゆっくりと進んでいく。やがてフーグリー川沿いに出た。


そこはゆったりとした川の流れ、という趣からは程遠い風景が広がっていた。のっぺりと貼り付いたように広がっている水面。泥の色をした水は、眺める者を拒むように水面下への視界を遮っていた。川岸はどこも無数のごみが打ち寄せられている。さすがに汚すぎるのか、それともまだ朝早いせいなのか、沐浴する人の姿は稀だった。川で洗濯したのだろうか、いくつもの服が無造作に並べて広げられている。


「なんだ、こんなもんか」と軽い失望を感じながら窓の外を眺めていた。なんとなく旅愁を感じさせてくれるような風景を期待したのに。


やがて列車はEDEN GARDEN駅に到着した。駅前はバスであふれかえっていたが、どれもハウラー駅方面行きだったので、仕方なく空港ターミナルのWIFIサービスで見た地図の記憶と、時々人に尋ねながらESPLANADE方面に向かって歩く。よく整備された道を30分ほど歩くと、やがてESPLANADEのバスターミナルにたどり着いた。そこからサダルストリートはすぐそばだった。