インド:交通事故の死者は毎年10万人以上

→インド:交通事故の死者は毎年10万人以上

ゴパル・クリシュナ・ピライ内務相は毎年10万人以上の人命が交通事故で失われていると発表した。「10万人以上」という表現はとても大雑把だ。日本ではよく警察署の前に交通事故の件数や死者の数などが貼り出されているが、インドではひょっとして細かな実数を把握できていないのだろうか?と疑いを持ってしまう。

10万人という数字は多いのだろうか?日本の交通事故死者数は昨年4863人だったという。人口がインドの約1/10の日本は、交通事故の死者数は大雑把に1/20ということになる。しかしピーク時(1970年)には16765人だったという。当時の人口は1億466万5千人だったそうなので、比率は0.016%になる。一方現在のインドの人口は12.1億人なので、10万人の死者数の比率は0.008%ということになる。日本のピーク時の半分だ。

国土が狭く、高度成長期でインフラも整いつつあり、自動車も急速に普及していた当時の日本と、現在のインドとではずいぶん状況が異なるだろうが、運転マナーの悪さではインドの方が上をいっているんじゃないかと思う。1970年当時の日本を、自分は生まれたばかりだったのでよく知らないが、恐らくインドほどひどくはなかっただろう。では、今後交通事故死者数も倍増(20万人以上)になるのだろうか?インドの自動車の普及具合がどの程度のものか今のところ分かっていないのだが、1億総中流化が進んだ日本と違い、インドは急激に階層格差が縮まるとは言えない。そのじれったさとインフラや交通事故対策の進行具合がバランスを取りながら進むと日本よりも低い比率で収まるのかもしれない。

 

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