インドの都市別の物価、上昇が激しいのは地方の中規模都市

 

→バンガロール、インドで最も生活費が高い都市に

インド準備銀行は2012年1月時点での国内主要都市別の物価指数(2001年度のそれぞれの都市の物価を100とした時との比較)を発表した。いわゆるメガシティーと呼ばれる大都市間でもっとも物価上昇が激しかったのはバンガロール(200)で、次にムンバイ(199)となっている。一方でデリー(181)、コルカタ(184)、チェンナイ(187)などは全国平均(198)を下回る結果となり、安定しているようだ。それに比べて地方のいわゆる中規模都市の物価上昇が顕著になっている現象が明らかになった。ナグプール(229、マハラシュトラ州)、ジャムシェドプール(221、ジャルカンド州)、アッサンソル(217、西ベンガル州)、ソラプール(212、マハラシュトラ州)、ボーパール(211、マディヤ・プラデーシュ州)など。

→インド準備銀行の消費者物価指数(いちばん右の列-2012.Janを参照)

物価高を支える一つの要因として、LPGガスのコストが紹介されているが、昨今は原油高の影響も大きいだろう。オートバイや自動車の燃料だけでなく、あらゆるものの物流コストとして物価に反映され、プラスチック樹脂成型品などのコストを上げている。またムンバイでは給与の4割以上は家賃に充てられるなど、不動産な価格の上昇にも原因がありそうだ。

 

おりしもインドでは4月からサービス税の拡大と税率アップ(10%→12%)が発表されている。特筆すべきは、これまで課税対象となるサービスの種類が公表されるポジティブ・リスト方式だったのが、逆に一部の免税対象となるサービス業を発表し、それ以外のサービス全般に課税するネガティブ・リスト方式に変わることにある。GDPの大半を占めるサービス業に広く課税することを目的にしているようだ。

 

ネガティブ・リストについては後に公表される予定だが、映画や遊園地などの入場料、葬祭業、タクシーやオートリクシャーなどの小規模運輸サービス、学校(専門学校や塾を除く)などは免税されることが明らかになっているという。

 

→電話サービス、レストランでの食事などのサービス税、4月から値上げ

 

大都市に住む中間所得層にとっては、生活コストがますます上昇することになりそうだ。

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    suhachi (木曜日, 12 4月 2012 14:36)

    突然のコメント失礼します。いつも興味深く拝読しています。

    都市の物価が急騰しているとのことですが、デリー・コルカタ・チェンナイが全国平均を下回っていることには何か特別な背景があるのでしょうか。

  • #2

    管理人 (水曜日, 02 5月 2012 11:40)

    こんにちは、コメントに気付かずお返事が遅くなりすみません。

    ご質問内容についてはもっと詳しく見てみないといけませんが、RBIのレポートではここ10年くらいのスパンで比較されているようなので、人口増にともなって全国的に村が町に、町が都市に、都市が大都市化する中で物価も大きく上昇し、相対的に従来の大都市の物価上昇は目立たなく(埋没している)なっているのではないかな?というのが、自分の印象です。

    2001年時のそれぞれの都市の物価からの上昇ですので、元から大都市はどこも物価高なのは間違いないとは思います。その高留まりの大都市物価に肩を並べそうな都市がここ10年ほどで急激に増えたと見た方がいいかもしれません。

    ただデリーにしろ、ムンバイにしろ不動産などはとんでもなく急騰しているそうですし、個別のセクターを調べていくと、大都市ならではの特徴もあるのではないでしょうか。