2011年

3月

26日

姉の夫と結婚させられそうになった妹

姉の夫と結婚させられそうになった妹が必死のヘルプコール

 

事件のあらまし

コインバートル(コーヤンブットゥール)で、scrap dealerを営む夫と妻の間には子どもが二人いたが、二人とも娘で、3人目にどうしても息子が欲しいと夫は願う。そこで妻の両親に相談して、公立学校のplus two(クラス11,12を指すらしい)の学生である妻の妹(義妹)と結婚したいと願い出る。両親は承諾したものの、義妹本人には強く拒絶された。2か月が過ぎて大事な試験を目前に控えた時期になり、進学して勉強したいと頼み込む娘をよそに、両親はあわてて式の段取りを決めて結婚を迫った。娘は困った挙句警察に電話して助けを求めた。警察が駆けつけてみると、娘の話は本当で、結婚は違法だと両親に警告した。被害届が出される見込みはないので、これ以上の捜査はしない予定だという。

 

小さなニュースだが、インドの社会事情をとてもたくさん含んでいるニュースだと思った。

 

・両親もscrap dealerを営んでおり、その娘二人のうち姉の方もscrap dealerと結婚している。インドでは同じジャーティー内で結婚が行われるということを示している。

 

・インドにはHindu marriage actという婚姻に関する法律があるが、このケースではどういう点が法に触れるのだろうか?重婚が問題なのか、姉と妹だからだめなのか?

 

・インドでは宗教婚が主流なので、法律がどうであれ儀式さえ行ってしまえば婚姻が成立してしまう。今回も警察が止めなければそのまま儀式が進められ、婚姻が成立したかもしれない。

 

・3人目の子供にどうしても男の子が欲しい、女の子は避けたいと夫が願う背景には、後継ぎの問題のほかに、ひょっとしたら持参金(ダウリ)の問題があるのかもしれない。インドでは女の子が結婚する際に多額の持参金を持たせる風習があり、どんなお金持ちでも3人も娘を持つと破産する、とよく言われる。この記事の最後にも、「とても貧しい家庭なので、少しでも経済的負担を減らしたいと考えた」とある。

 

・本人の意向よりも両親、あるいは所属するコミュニティの意向で結婚が進められること。また、女を子どもを産ませるために結婚させるものという意識も強いこと。

 

・scrap dealerというのがどういう職業なのかはっきり分からないが(廃品を扱う仕事?)、ここの家庭はとても貧しいという。そういう家庭で生まれ育った女の子が、plus twoまで学校に通える社会になってきているということ。

 

・高学年まで進学する女の子には、結婚のために進学を諦めなければならないという問題が少なからずつきまということ。しかも結婚の話が自分の意志を超えたところで進められるので、自分の人生の見通しを立てるのが難しいということ。

 

・学校に通えなかった親世代と、学校へ通えるようになった子供世代との間で、学習についての意識のギャップが生まれているのではないだろうか。