2011年

4月

19日

陰惨な名誉殺人

二人の寡婦殺害される、村人誰も止めず

この種の、エキセントリックな個別の事件を取り上げるのもどうかと思うが、ハリヤナ州で起きた陰惨な名誉殺人事件を一つ。二人の寡婦の間に同性愛の噂がたち、それを聞きつけた一方の寡婦の甥にあたる23歳の男が、相手の女のところに乗り込んだ。しばらく互いに罵詈雑言の応酬をした後に、興奮した男が女を家の外に引きずり出した。騒ぎを聞いて集まった村人が7000人も集まって見つめる中、男は棒で女を殴り続けて死に至らしめた。続いて男はその殺した女の相手である自分のおばのところに行き、そのおばも家の外に引きずり出して激しく殴りつけて殺害した。その後男は自ら警察に出向き「家族の名誉を守るために殺した」と自供した。

両方の殺害現場に大勢の村人が集まっていたにも関わらず、誰も止めようとしなかっただけでなく、携帯電話で警察に知らせることさえしなかったという。この異常と思える状況が、名誉殺人がはびこる社会がどういうものなのかをぼんやりと照らしだしている。激しい口論の内容から、経緯をある程度察知する村人たち。そして男の怒りを「理解」する村人たち。とはいえ23歳の男が年上の女を死なせるほど叩き続けている姿を見ても、「仕方ない」と納得したのだろうか。。。

男が事件の後に素直に警察に出頭したのは、計画的ではなく、突発的な行為だったこと(予め逃亡を企てていたわけではなかったこと)、多くの目撃証人がいて逃げ切れないことなどもあるだろうが、たとえ法律はどうであれ、男が所属する社会では正義を貫いたことを多くの村人の前で見せつけることができた満足感がひょっとしてあったのだろうかと思うと、この問題の根の深さを感じずにいられない。こういった行為によって守られた家族の名誉とは何だろうか。家族とは彼らにとってどういうものだろうか。そして家族を構成する成員はどうあらなければならないのであって、どうあってはいけないのだろうか。