2011年

4月

27日

子どもの誘拐が日常茶飯事の街

 

→1日平均5人の子供が行方不明に、デリー

デリーでは今年に入って子供が行方不明になる案件が増加しているそうだ。昨年は1年間で1179人の子供が行方不明になっており、1日平均3人だったが、今年はこれまでに541人。ここ2カ月は1日平均5人のペースで推移しており、このままだと昨年より大幅に増加しそうだという。

昨年の数字だけでも十分「はぁ?」と耳を疑ってしまうような数字だが、それではインドではニュースにならないらしい。もちろん発表されている数字は警察に届けが出されたものであり、日本などと違って警察が頼りにならないインドでは、例えば子供が誘拐された直後に犯人から身代金を要求する連絡などがあった場合、内密に交渉を進める親も多いかもしれない。今は誰でも携帯電話を持っている時代なので、昔と違って身代金を介在させた解放交渉をしやすいだろう。

女の子が6割を占めると言うのもちょっと意外だ。男児選好の風潮があるインド社会では、男児のほうが身代金も高額になるかもしれないと思ったからだ。女の子の方が何かと「使い甲斐」があって高く転売ができるのだろうか?それとも男児は何としてでも取り戻したいという親の意向が強く働き、身代金を積んでも解放してもらうケースが多いから、結果的に警察に提出する被害届では女児の割合が相対的に高くなってしまうのだろうか?、、、などと邪推してしまう。

記事の最後にさらにダメ押しがある。「国家人権委員会は内務大臣とデリー直轄区長官あてに、この2年間で17305人の子供が行方不明になっており、そのうち2366人がいまだ見つかっていない状況について、報告書を提出するように通達を出した」とある。

つまり行方不明の案件は実際には2年で17305件に上り、そのうち2366件が未解決(1日3人程度)ということのようだ。子どもが後になって保護されたり、あるいは遺体で見つかったり、といった一応の「発見」を除いた件数が昨年までの1日3人という数字なのだ。

暗澹たる気持ちになる中、こんな記事も見つけた。

→子供の人身売買容疑でNGOがやり玉に

裕福な家庭にドメスティックヘルプ(家事手伝い)の女の子を派遣する職業紹介所、養護施設、孤児の養子縁組を仲介するNGOなど(時には医者さえ絡んで)、親の庇護を離れた子どもたちがどのように人身売買の手に陥るか、また女の子がどのような目に遭うのかを伝えている。誘拐された女児が売春宿などへ売られるのとは次元の違う話だと思ったが、実態は同じようなものかもしれない。

また職業紹介所を通じて、運よくきちんとした仕事に就けるにしても、13歳くらいの少女がグルガオンの富裕層に送り込まれるらしい。13歳だと義務教育であるクラス8を卒業したのかさえ微妙だ。この辺りの法的整備がどうなっているのか分からないが、義務教育を終えていない子どもを雇う側にも責任を求めるべきかもしれない。

 

→インドの犯罪白書を読む:女性への犯罪の動向 も参照