2011年

7月

14日

3年前の恐怖再び、ムンバイでまたも同時多発テロ

 

→ムンバイでテロ攻撃、21人死亡、113人負傷

 

ムンバイでまたもテロが起きた模様だ。2008年11月には武装グループが市内10か所にたてこもって銃を乱射、爆弾を爆発させ、人質を殺害するなどしたが、今回は市内3か所で爆弾による爆発が起きたと伝えられている。いずれも現地時間の7月13日夕方6:45-7:15の間にかけて起きており、偶発的な爆発ではなくテロリストによる意図的な一連の犯行との見方が強まっているものの、今のところ犯行声明のようなものはないらしい。またこの日は3年前の同時多発テロで唯一生き残りの実行犯、パキスタン国籍のAjimar Kasab(死刑宣告を受けて収監中)の誕生日だという説もあるという。

爆発が起きた場所は、ムンバイ中心部のDadar地区(タクシーに爆弾が仕掛けられていた模様)、有名なマリーンドライブの近くにある宝石商の立ち並ぶZaveri Bazaar(食堂の前に停めてあったオートバイに爆弾が仕掛けられていた模様)、ビジネス街のオペラハウス地区で、それぞれムンバイを南北に数キロずつ離れた地点にある。夕方の人が混み合う時間だったため、死者は確認されているだけで21人、負傷者113人、死者・負傷者ともにさらに増える見込みだという。

2008年の同時多発テロの際には、パキスタンに拠点を置くテロリストグループの関与が明らかとなったものの、インド国内のいわゆるインディアン・ムジャヒディンと呼ばれているイスラム過激派も積極的に参加したと見られるほか、北部カシミール問題にシンパシーする言動も確認されているなど、「国籍」という枠ではとらえきれないイスラム教独特の背景があったようだ。しかし犯行グループはパキスタンから船でインド西岸に着岸したことが確認されており、その後インド・パキスタンの関係は大きく冷え込んだ。その後もこの「テロリストがパキスタンから船でグジャラート州、マハラシュトラ州などのインド西岸に侵入」というのはインド沿岸警備の一つのポイントとされていて、これまでも何度もこの侵入情報の確認とテロ警戒が繰り返されていた。

今回の一連の爆発事件はまだイスラム過激派との因果関係は明らかになっていない。しかし前回のこともあるので、インド国民の対パキスタン感情の悪化、インド国内のムスリムに対する嫌がらせなどが早くも心配される。また、前回のテロで観光客を含むインドへの渡航者は1年にわたって6%程度減少したとされている。今回の事件も改めてインドを取り巻く政情の不安定さを内外に印象付けてしまい、ビジネス、観光への影響は必至だ。