2012年

7月

23日

子供たちはこうして差別される その2

 

→「クラスメートがわたしの髪を切った」

バンガロールの有名私学での話。私立学校には授業が払えない貧困層の家庭の子供たちに児童数の25%の割り当て(quota)が義務付けられている。ダリット(不可触民)協会は、ある私立学校において、これらの割り当て枠で入学を認められた子供たちに対するいじめや差別がひどすぎる、と訴えた。

ある数人の子供たちは一般枠で入学した児童に髪を切られたり、鉛筆で額を突かれて怪我をしたという。まあ、この程度は子供同士のことなのでありがちなことと言えなくもない。ただ、日本でも多分にそういう傾向はあるが、インドでは他人の髪を切ると言う行為は、その人を罰したり、強い恥辱を与える象徴的な行為、特別な行為であることは留意しておいた方がよい。

 

さらに問題なのは教師たちの、これらの子供たちに対する態度だ。こうした割り当て枠で入学した子供たちを、まとめて教室の一番後ろの席に座らせて、出欠をとる際にも彼らの名前を呼ばないのだそうだ。そして前に座っている一般枠で入学した子供たちに向けて授業を行うのだと言う。後ろの貧困層の子供たちは何の指示も与えられず、ノートもまっさらだという。そして宿題も与えられないのだそうだ。要するに表面上は登校を許され、教室への入室も認められているが、教師たちからは無視され、授業には参加させてもらっていないのだと言える。

一般枠で入学した富裕層の子供たちも、教師のそうした態度を敏感に感じ取るのだろう。いじめを行いやすい雰囲気も生まれやすい。ダリット協会のような団体は、日常的に虐げられている現状から、ひょっとしたら差別を受けることに過敏に反応する場合もあるかもしれないし、誇大に表現することもあるかもしれない。それでも不公平なインド社会では、教育現場もその影響を多分に受けていることは容易に想像できる。

ダリット協会の訴えに対する教師たちの反応は冷ややかだ。「じゃあ、あの子供たちにお前たちが読み書きを教えればいいじゃないか」「PTAにでも相談したらどうか」

教師がこんなでは改善はなかなか期待できないのだ。

→子供たちはこうして差別される-インド有名私学の話 も参照

 

→家柄、カースト、経済力。。。不公平なインドの小学校入学 も参照