2013バンガロールへの旅(8/28~9/4)


●プロローグ

 

今回の旅(1週間)の目的は、以前ネット上で知り合ったMITUというバンガロールのNGOの活動を見学させてもらうことだ。

 

→  8/31 生理と女子の教育

 

 

 
地元紙で取り上げられるMITUの活動
地元紙で取り上げられるMITUの活動

 

多様なインドという国において、男性優位という性格は概ねインド亜大陸に普遍的に通底している。その中で男にとっては理解しがたい女子の生理や月経の問題について、社会的な取り組みが忘れられ、置き去りにされがちなのだという。そしてそのことが思春期の女子の就学・通学状況に暗い影を落としているのだとも言われている。

 

この問題について、女性たちが主体となって積極的に活動しているNGOがあることに、自分は何かとても革新的なものを感じた。こうした動きが活発になってインド全体に広がっていけば、それは女子の保健や衛生、教育といった問題にとどまらない、男女の相互理解や性に対する理解など、男子を含めたもっと大きなものへ波紋を広げていくのではないだろうか。

 

一体、インドでこうした活動を行っている人はどんな人なのだろうか。メールを送って返信を待ち、やり取りを重ねた。

 

MITUという団体を主宰するKala Chaluは今年で62歳になる女性だ。インド人女性と深く話をする機会がこれまでなかった自分だが、オープンで気さく、合理的に話を進めることができ、一方でまるで少女のようにいたずらっぽく、好奇心の旺盛な人柄がメールの文面から伝わって来て魅力を感じた。

 

Kalaは10年前に2人娘のうちの一人を交通事故で亡くしたのだという。当時26歳の若い娘さんだった。悲しみに暮れ、生きる意味を見失った日々を過ごしていた彼女を奮い立たせるために、親族のうちの一人が、こうした活動を立ち上げることを薦めたという。ミトゥ、M.I.T.U=Multiple Initiative towards Upliftment(向上のための多様な取り組み)という団体名はその亡くした娘の愛称から名付けられたのだそうだ。娘を亡くした悲しみを乗り越え、女性の尊厳を守り、社会的な立場の向上へとつながる運動へと昇華させようという、Kalaの強い意志の表れだ。

 

庭に植えられた草花はMITUのシェイプ
庭に植えられた草花はMITUのシェイプ