3/8 ●出国

いよいよ、インドを去る日が来た。とても充実した旅行だったという満足感があった。こういう時は意外と、帰るからと言って特に大した感慨も湧いてこないものだ。淡々と朝食をとり、夕方のフライトなので昼まで街をぶらぶらする。歩いていると、携帯電話の修理の店が並ぶ通りに出た。1件や2件ではない。表通りに面してブースがずらっと並び、携帯電話のケースから基盤を取り出し、はんだごてで何かをくっつけている。ものすごくデリケートな作業を、埃っぽくて車のクラクションがやかましい場所で行っている。デリーでラップトップの修理をしているのを見たときもぶっ飛んだが、ここではもっと細かい作業をしている。

携帯電話の修理屋さん
携帯電話の修理屋さん

こういったインド人の修理根性というか、直して直して使う根性には何か国民性でもあるのではないかと思えてくる。作業している人たちも技術系のポリテクや理工系の大学を出たような人かもしれない。確かにインド人は携帯電話を酷使している。音楽を入れてヘッドフォンで聞くのではなく手に持ってスピーカーで恐らくボリュームを最大にして聞いて歩いている人もよくいる。しかし中の配線が焼き切れるほどの使い方ってどんなだろう?

さらに歩いていると路上に棚を置いて中古の学校の教科書を売っているのを見つけた。定価の半額だと言う。ヒンディ語の勉強にちょうどいいかと思い、なるべく絵の多いクラス2、3程度の教科書ばかり5冊選ぶと定価ベースで300Rs-もしてびっくりした。これは子どもたち、買えないはずだ。

11時ごろ宿を出てメトロとバスを乗り継いで空港に向かう。14年前に来た時は確か空港の前に未舗装の道が一本あるだけだったのに、今は整備されて乗用車のレーンやらバスレーンなどができて、ちゃんと空港らしくなっていた。空港施設も少し立派になっていた。