2012/3/8 アヨーディヤからクシナガラへ


 

今日はホーリーの日だった。朝早くツーリストバンガロウをチェックアウトしようと思ったら、マネージャーにひどく心配された。こんな日に町中へ出たら大変な目に遭うよ、と。しかし後の日程のことを考えるとグズグズしていられなかった。幸いリクシャや乗り合いのオートも稼働していたので助かった。途中、子どもが色のついた水風船をオートの車体にぶつけてきたが、とばっちりはそれほど受けなかった。ファイザバードへ行きバスターミナルの前でバスを待つ。

今日はゴラクプル経由でクシナガラへ向かうのだったが、実はその途中で寄ってみたいところがあった。サリュー河沿いに東へ行くとTandaという町があり、その外れに火力発電所があるのだった。この辺り一帯の電力を賄っているようだが、たいそう旧式の発電所らしい。石炭を燃やして発電しているそうだ。石炭というとひどく古いように聞こえるが、実は日本でも火力発電の燃料として使っているのだそうだ。日本の場合は高い技術を駆使して効率よく発電できるそうだが、インドではずいぶん遅れているそうだ。インド北部の人口過密地帯の何割の世帯をカバーしているのか分からないが、調べてみると日本の地方発電所並みの発電量しかない、とても貧弱な発電所のようだった。

自分などが行ってみて何が見れて何が理解できるのかたいへん怪しかった。それ以前に広大な敷地の中には入れてもらえないだろうし、外から何か見えるとも限らないのも心許ない。

ファイザバードのバスターミナルでバスを待っていると、インド人が話しかけてきた。「どこへ行くんだ?今日はホーリーだからバスは来ないよ。」うーん、そう言われるとそういう気もする。朝早いせいもあるかもしれないが、バスが全く来ないのが気になる。

しばらく待ってようやくバスが来たので、行き先を尋ねるとバスティ行きだった。ゴラクプルへ行くにはちょうど良いが、Tandaとは別のルートを通ることになる。迷ったが乗ることにした。やっぱり今日はバスが少ないような気がする。ここで待っていてホーリーの騒ぎの巻き添えを食うのはごめんだ。バスの中の方が安全だ。遠回りになるがバスティからTandaに行けないこともないと言い聞かせ、バスに乗り込んだ。

街角には、あちこちで大きな木を切り倒した焚き火用の薪が積み上げられ、煙が立ち上っていた。ホーリーではこれが邪気を払うのだそうだ。バスの中から見る限り、街は様子を見ながら動き出していると言った感じだった。車もバイクも少し少ない気がするが、走ってないことはない。サイクルリクシャが1箇所に集められているのが印象的だった。攻撃の対象にされそうなので今日は休業らしい。

バスティに到着したが、もうTandaに行く気は失せていた。ゴラクプル行きのバスも簡単に見つかったので、それに乗り込んだ。ゴラクプルには昼過ぎに到着。昨年訪れたが懐かしい気がする。さすがにあまり何も変わってない気がする。バス停周りの食堂も通常営業していたので昼食を取った。その後駅から少し離れた予約センターに行き、4日後のコルカタ行きのAC 3tierの席を予約した。実は先日サンチーから移動した時に、ヴィディーシャからラクノウまでのGeneral Coach(2等)での移動には相当懲りた。Sleeper(2等寝台)よりも高いが、AC 3tierだとウェイティングリストの順番も上位なので、まあ確保できそうだろうということで奮発したのだ。

ゴラクプルからクシナガラに続く道は昨年工事が進められていたが、1年でずいぶん工事が進んだようだった。砂利道が減り、広い幹線道路が伸びていて快適だった。結局この日にクシナガラに到着したのはお昼3時を過ぎてからだった。