3/7 ●園芸店を見に行く

昨日、タクシーで屠殺場から帰る際に、植木鉢に植えられた観葉植物や草花がずらっと並べられた通りを見つけた。昨日はあまりにも疲れ果てて、とてもそこで降りる元気すらなかったが、一応そばにあった大きなショッピングモールの名前を覚えておいた。今日は朝からそこへ向かうことにした。タクシーにショッピングモールの名前を告げると一度目は全く違う場所に連れて行かれ、2度目でようやく昨日の場所にたどり着けた。通り沿いに同じような園芸店がずらっと並んでいる。観葉植物についてはあまり詳しくないが、特に変わった品種はなさそうだった。ペチュニア、バーベナ、ベゴニア・センパフローレンス、ガザニア、ガーベラ、バラなど草花も日本でお馴染の品種が並んでいる。日本であまり見かけなくなったのはボテっとしたダリアとか、昔おばあちゃんの家にあった鶏頭くらいだ。

シアルダー駅近くの園芸店
シアルダー駅近くの園芸店

石灰のようなもの、化成肥料らしきもの、コンポスト(堆肥)などと並んで、粒径5~6mmくらいの植え込み用土が売られている。こういったものがあれば植物を植え込むための土が何とか作れそうだな、と思いながら歩く。しかしここの植木鉢はみな田んぼの泥のようなもので植物が植えられており、窒息寸前のようだ。芝生も見かけた。直径15cmほどの浅い植木鉢で育てられたらしく、底が丸い形をしているのでコロンとして面白い。1個10Rsだという。1平米辺り16個ぐらい使いそうなので160Rs/平米くらいの単価になりそうだ。

芝生 一つが直径15cmほどの円形をしている
芝生 一つが直径15cmほどの円形をしている

昼からはニューマーケット周辺のショッピングモールなどをウロウロする。実は目的があった。インドの若いカップルにとても関心があったのだ。それは下世話な好奇心ということではなかった。インドに来る前にインドのことを調べていると、若い子の男女交際があるということを知った。14年前にインドに来た時には考えられないことだった。インドでは今でもarranged marriageが主流なので、当然これまでの慣習に反し、家族や周りのコミュニティ(=カースト集団)とのあつれきを生む。実際に悲劇的な事件にまで発展する例は後を絶たないようだ。しかし自分は、インド人の恋愛はインド社会を変えるという予感を持っていた。なんとか周囲の理解を得ることに成功しているカップルも多くいるはずだろう。あるいはとてもハッピーエンドを望めそうもなく、この先滝壺に落ちていきそうな流れに身を任せるしかないカップルもいるかもしれない。そんなことはおくびにも出さず、ここでは手をつないだり、腕を組んだり、時には肩を抱き寄せたりしながら歩いている光景も見られる。知り合いになって何か話を直接聞けないだろうか、と道ゆくカップルを眺めていた。

 

ホテルの客引きや怪しいポン引き、ドラッグの売人など、金儲けのために旅行者に声をかけてくるインド人は多いが、いざ自分が何か思惑を持って全く知らないインド人に話しかけるようとすると、難しい。一つの焼きそばを2人で食べている大学生風のカップルに話しかけようとしたが、時間を尋ねてみたあと言葉が出てこなかった。ファーストフード店に入ってカップルの横のテーブルを見つけて座ったものの、二人で仲良くおしゃべりしている間に割って入るのも気が引けて、結局話しかけられなかった。やはり全くアテもなくこういうことをするのは無理があるようだと痛感した。

コルカタの街を歩くカップル
コルカタの街を歩くカップル