1/30 ●ナーセリー見学(クトゥブ・ミナール近く)

この間からメトロに乗っている途中、気になっていたのだが、ジャイナ教の開祖であるマハーヴィーラの大きな像と周辺の大きなヒンドゥー寺院に行ってみることにした。

確かKUTAB MINAR 駅の近くだったなあ、と思いながら降りてみると、それらしいのが見当たらない。どうやら降りる駅を間違ったらしい。仕方ない。駅前でバスの車掌がクトゥブミナール行きを連呼していたので、特に行く気もなかったが乗ってみることに。

バスが走り始めてすぐに道路沿いに園芸用の花苗や植木鉢などが並んでいる場所があった。自分の仕事柄、この間からパハールガンジ付近にリヤカーで行商に来ていた植木屋が気になっていたので、ラッキーだ。帰りに寄ってみようと決める。5分も走らないうちにバスを降ろされ、ここから左に行ったらクトゥブミナールだ、みたいなことを車掌が言っている。

降りたところを見回してみると、なんとそこはナーセリーの前だった。こんな偶然があるものかと嬉しくなり、クトゥブミナールのことは忘れて中に入ってみる。コノテガシワの枝がだらっと開いたものや、アレカヤシ、バナナの幼苗、日本のオガタマ?に似たような木、ベンジャミンや先日ノイダの道路沿いに植栽されていた香りのするティーツリーもあった。もみの木の幼苗やソテツ、這い杉のようなグランドカバーもある。草花も結構豊富で、ITTデリーに植えられていたサルビアやパンジー、ビオラ、マリーゴールド、スイートアリッサムなどのほかになんと葉牡丹まで。ほかにはガザニア、ガーベラ、バラなど。


辺りを見回してみると、奥のほうに人が住んでいそうな掘立小屋があり、サリーを着た女性が洗濯している。少し離れたところに籐のようなもので編んだベッド があり、小さな赤ん坊とその世話をしている7,8歳の子供が3人くらいで遊んでいる。ナーセリーに隣接した空き地にはゴミが散乱しており、ゴミ捨て場のよ うな雰囲気だ。その向こうで女性たちが5,6人、大きなシートを広げて座り込み、プジャーに捧げるマリーゴールドの花を山のように積んで何やら作業してい るのが見える。

「やはり、」と思った。なんとなく予感を持っていたのだが、こういった仕事に携わる人は、かなり身分の低い人たちらしい。周りの雰囲気からして不可触民だ ろうか。カメラをビデオモードにして録っていると、ベッドで遊んでいる女の子が見咎めて「トゥエンティルピー」と盛んにこちらに向かって叫んでくる。ホー スを手に持った男は、一応水遣りの要領を心得ているようだ。根鉢にしっかり水をやり、埃のついた葉を洗い流すように葉水をかけている。

ナーセリーを一回りして奥のほうから外へ出ると、さきほどは気づかなかったが、そこはフラワーマーケットだった。女たちがプジャー用の花を山のように積ん で作業していたのは、輪っか状の花飾りを作っていたのだ。マーケットではプジャー用の黄色の花が1KGあたり10Rsとか15Rsなどで売られている。花 の頭だけなので、商品価値があるのは1日だけなのだろう。大きめの袋でも1kg詰めようと思ったら大変だ。マーケットの先に進むに従って切花もたくさん並 んでいるのに気がついた。花の種類や色数は決して多くはない。日本にもあるようなバラやスプレー菊、ポンポン菊、ゆり、デンドロビュウムらしきラン、葉も のもあったが種類は少ない。何に使うのか昆布を串刺しにしたようなものも積まれている。結婚式などお祝いに飾られるのだろうか、アレンジメントも何種類か 並べられている。いわゆる「オアシス」にちゃんと指してかごに飾られているが、素人目に見てもとてもセンスがよいとは思えない。とりあえず作った、という 感じだ。

なんだこれは?
なんだこれは?
これもいまいち
これもいまいち

その後、一応クトゥブミナールにも足を運んでみたが、入場料がインド人10Rs、外国人250Rsと書いてあったので馬鹿らしくなってやめた。しかし遠めに見ても表面の文様が繊細で美しそうだ。帰りは、先ほどバスから見た演芸用の草花や植木鉢らしきものが並べられているところへ寄るために歩いて駅まで帰る。屋外だが、草花や植木鉢、肥料らしきものも袋に入って売られている。旅行者なのでとても買って帰ることはできないが、値段くらい聞いておいてもよかった。特に植木鉢は素焼きのものやプラスチック樹脂のもののほか、コンクリートで作ったものもある。手間がかかっているだろうな、運んでくるのも大変だろうし、と思う。肥料は果たして効果があるものなのか疑問?ちょっと手にとって見ていたが特に匂いもなく、粒子の細かい泥みたいな素材だった。農業用の化成肥料くらいはインドにもあるだろう。そっちのほうが効果ありそうだ。

そのあと、メトロでSikandarpurという駅まで行き降りてみた。MG ROADの隣の駅で、ショッピングモールらしき建物がいくつも並んでいるところだ。実際に隣のMG ROAD駅までショッピングモールが立て続けに並んでいる。建築中のところもあれば、まったく客が入っていないところもある。中に入ってみて、テナントが2割ほどしか入っていないところもあった。こんなところを歩いていると、自分が何か入ってはいけないところに侵入した気分になる。このあたりではSAHARA MALLというショッピングモールが一番賑わっていたが、平日のせいか客入りは大したことない。また、ショッピングモールの名前の前にやたらとMGFという文字が付いているのが目立つ。帰って調べてみるとディベロッパーだった。このあたりの広大な敷地を保有しているのだろう。今はイケイケで建設しているが、これだけショッピングモールが増えても客足が付いてこなければ、そのうちつぶれるところも出てきそうだ。