いつもと違う旅立ち 2017.01.25


 

コルカタの空港に到着したのは深夜0時を回ってからだった。何事もなく到着ロビーに出る。相変わらずここの空港は何の飾り気もなく殺伐としている。AK47?だか知らないが長い銃身を担いだ兵士がうろうろしていて、利用客を歓迎するどころか萎縮させる雰囲気だけが漂っている。

 

例年通り、ここで朝まで過ごすことにする。

 

コルカタに到着する前々日、エアアジアでマレーシアのクアラルンプールに立ち寄り、空港(KLIA2)の両替所を覗いてみた。さまざまな通貨の両替レートが掲示されているモニターにインドルピーの両替レートが掲示されているではないか!

 

高額紙幣の切り替え(DEMONETISATION)にともない新紙幣の発行が遅れて、なかなか両替ができない状態が続いているとされているインド。戦々恐々として日本を出てきた。試しにインドルピーが買えるのか恐る恐る聞いてみると、あっけなく「買えるよ」と返事が帰ってきた。「でも古い500ルピー札と1000ルピー札は廃止になったんだよね?」と尚も疑って食い下がる。すると窓口の男の人が手元から新しく発行されたばかりの500ルピー札と1000ルピー札を見せてくれ、「一体いくら欲しいんだい?」と聞かれる。

 

ラッキーだ。ここ1ヶ月ほどネット上で調べた限り、マレーシアでもインドルピーの両替ができないという情報にしか出会えなかった。「マレーシアではインドルピーが手に入らない」とインド旅行に出掛けたマレーシア人少女のblog、Facebookでクアラルンプールの両替レートのモニターにインドルピーの箇所にだけ「取り扱いなし」を示す横棒ーーが掲示されている写真の投稿など。

 

モニターで示されているインドルピーのレートは、マレーシアリンギットとの交換レートなので、それが良いレートなのかどうか瞬時には判断できない。また日本円と米ドルの現金を持っていたが、インドで使うために取っておこうと決めていた。そこで取り合えず一旦その両替所を離れ、別の両替所に向かった。

 

別の両替所に行ってみたところ、ここでもインドルピーの取り扱いがある。レートは先程と一緒だった。そこで自分の気持ちが固まった。手持ちの現金を使わずに一度ATMでキャッシュカードを使ってマレーシアリンギットをおろし、それを両替所に持ち込む。レートの良し悪しは不明だが、試してみよう。700リンギットを窓口に出したところ、5リンギットあまりのお釣りと、9200インドルピーを渡された。

 

マレーシアの空港両替所で掲示されていたレート表(インドルピーは左側真ん中あたり)
マレーシアの空港両替所で掲示されていたレート表(インドルピーは左側真ん中あたり)

 

あとで計算したところ、この両替は1ルピーを2円強(2.04円)で買ったことになることが分かった!高い。。。これまでこんなに高く買ったことはないというくらいの水準だ。円安などさまざまな要因があるが、現在1ルピー1.67円なのに。しかしインド国内でも70ドルか80ドルしか一度に両替できないと言われているなかで、2万円近くも両替できた、と諦めるしかなさそう。。。インドに入る前に少しインドルピーが手に入った安心感も得られたしなぁ。

 

コルカタの空港の到着ロビーに出てすぐに両替所が目に入った。こんな深夜でも営業している。数人の客しかいない。すでに1万ルピー近く持っていて余裕なのだが、街に出てどれだけ両替できるか不安なので、自分も並んで取り合えず少額紙幣ばかりで100ドルを出した。すると80ドル分しか両替できないと言われ20ドルは返された。もし100ドル札を出していたらどうなっていたのだろう?

 

 示されているレートでは80ドルは5056ルピーになるが手数料その他を引かれて4800ルピーにしかならなかった。計算すると1ルピー=1.95円くらいになる。高い。。。そこで初めてクアラルンプールでの両替が決して高すぎるものではなかったことを知った。インドでの状況を知っていてレートをつけているのかもしれない。

コルカタの空港両替所で掲示されていたレート表。表の読み方は、日本円を両替する場合、1万円を出すと5520ルピー(計算上)になるということ。そこから手数料その他を引かれると、ずいぶん目減りする。空港では最低限の両替でよさそう。
コルカタの空港両替所で掲示されていたレート表。表の読み方は、日本円を両替する場合、1万円を出すと5520ルピー(計算上)になるということ。そこから手数料その他を引かれると、ずいぶん目減りする。空港では最低限の両替でよさそう。